鍵タイプと出た方から、次に何を見ればよいか分からない、という声をいただきます。ここでは職種を並べません。並べても選べないからです。代わりに、探し方そのものを変えます。
鍵タイプは、何が得意なのか
得意なのは、誰も動かせずにいるものへ先に手を伸ばすことです。放っておかれた案件に、最初に触れられます。どこから手をつけるかを理由で選べるので、回り道が少なくなります。
5つの軸の内訳は、先に動く/多くの人と関わる/自分のやり方を通す/決めて終わらせる/理由で選ぶ、でした。ひと言にすると「詰まった所に入り、筋道を立てて片づける」形です。
この得意は、いつでも出るわけではありません。出るのは最初の1回だけです。同じことを2回目にやるときは、もう誰にでもできます。ですから、最初の1回が何度も回ってくる場所を選ぶ必要があります。
ここを取り違えると、自分を責めることになります。毎日同じ作業が続いて気持ちが乗らないとき、飽きっぽい性格だと思ってしまいがちです。そうではなく、得意が出る場面が来ていないだけ、という見方もできます。
職種名で探すと、なぜ迷子になるのか
求人に並ぶのは、職種名と、求める経験と、お金の条件です。肝心の「毎日どんな場面に立たされるか」は、ほぼ載りません。
同じ名前でも中身は逆になります。営業なら、決まった相手を回る役と、取引のない所へ最初に行く役。技術なら、動いているものを守る役と、新しく立ち上げる役。事務なら、毎月の処理を回す役と、処理のやり方を作り直す役。
鍵タイプが生きるのは、いずれも後ろ側です。けれど、その違いは名前には出ません。だから名前で探すかぎり、当たりを引くのは運になります。
止まっている所は、職場のどこにあるか
どんな会社にも、誰も手をつけないまま残っているものがあります。そこが鍵タイプの働き場所です。よくあるのは次の4つです。
| 止まっている所 | 鍵タイプがすること |
|---|
| 長く放置されたお客さま | 先に連絡して、今どうなっているかを確かめる |
| 毎回もめる作業 | 順番を決めて、次からの形を作る |
| 前任者が辞めて宙に浮いた案件 | 残りを洗い出して、片づける順を決める |
| 誰も詳しくない新しい道具 | 先に触って、使い方を人に渡せる形にする |
この4つは、どの業種にもあります。つまり鍵タイプは、業種で縛られません。縛られるのは「手を出してよいかどうか」のほうです。
求人票を見るときは、この4つが載っているかを探しても見つかりません。載るような話ではないからです。代わりに、会社の人と話す場で聞きます。聞き方は次の節にまとめました。
入る前に、何を聞いておくとよいか
手を出してよい職場かどうかは、会社の人と話す場で見分けられます。次の3つを聞いてみてください。働く前に知っておく話なので、遠慮はいりません。
- ・「入ってすぐ任されそうな仕事は、何になりますか」
- ・「やり方を変えたいとき、誰に話を通しますか」
- ・「いま社内で、手が回っていない所はどこですか」
3つめの答えが具体的に返ってくる会社は、相性がよいことが多いです。困っている所を言葉にできているなら、そこへ入っていく人を歓迎する土壌があります。
反対に、2つめで「誰も変えたことがない」という答えが返ってきたら、少し慎重に見てください。得意なことを使う道が、はじめから塞がっている場合があります。
開けたあとに、つまずきやすいところ
扉を開けると、次の扉のほうが気になります。悪い癖ではありませんが、開けたままで移ると、あとから「始めるのは得意だけど続かない人」と言われてしまいます。
防ぎ方は1つだけです。開けたときに、3行書き残します。どこが詰まっていたか。何をしたか。次は誰が何をすればよいか。長い引き継ぎ書はいりません。3行あれば、渡した先が動きます。
もう1つ。理由をそろえて話すのが得意なぶん、相手がまだ気持ちで追いついていないときに、話がかみ合わないことがあります。そこで説明を足すと、かえって遠くなります。一度置いて、日を改めるほうが早く進みます。
開ける力と、渡す力は別のものです。前者は生まれつき強いので、後者だけ意識して足せば十分です。3行のメモは、そのいちばん小さな形です。
まとめ
- ・鍵タイプが力を出すのは、誰も動かせずにいる所へ最初に入るときです
- ・探すときは職種名からではなく、止まっている所がどこにあるかから考えます
- ・会社の人には「手が回っていない所はどこか」を聞いてみてください
- ・開けたら3行書き残す。それだけで、次の人が動けます